3月4日 予算特別委員会

◆委員(井上ノエミ君) 
 まず、加藤教育長に、中学生の海外派遣事業についてお伺いします。
 款別質疑のときに、この事業の成果について質問したのですが、活発に授業に参加するようになったという答弁でした。
 選考の際に、授業に活発に参加している生徒を選んでいるなら理解できますが、税金を何十万円も掛けて海外に行った成果がそれでは、少し寂しいと思います。各学校から2名しか派遣しないのですから、派遣生に他の生徒のロールモデルになってもらいたいと思います。
 もちろん、10日間の海外研修で英語がうまくなるはずはありません。しかし、海外派遣を契機として、半年後に英検の3級に受かるとか、中学卒業時には英検準2級に受かる、あるいは高校や大学で海外留学をするとか、ほかの生徒や後輩の刺激になるようなロールモデルになってもらいたいと思います。
 事前研修はしっかりやっていますが、帰国後は本人が努力して、研修の成果を出すようにしてもらいたいと思います。派遣される生徒には、税金で行く以上、しっかりと自分の役割を自覚してもらいたいと思います。教育委員会も、派遣生の同窓会を組織して、派遣生のフォローをしていただきたいと思います。加藤教育長のご見解を伺います。

◎教育長(加藤裕之君) 
 派遣生については、事前の研修だけではなく、派遣後の事後の研修も行った上で、校内における報告会や区民向けの報告会を行っています。このことが他の生徒や後輩に影響を与え、本年度も応募者も、志望の動機として、先輩の派遣生の英語力や積極的で堂々とした姿勢などに感動したことを挙げる例も多く見られます。また、平成29年度の派遣生は、本年度の派遣生の事前研修において講師を務めたり、また生徒会役員に立候補したり、派遣生として期待される役割を積極的に果たそうとしています。
 井上委員のご提案の英検の受験ですが、これは民間が行う資格の一つですので、受験を義務付けることは考えていませんが、平成29年度の派遣生たちが積極的に受験をしているという報告は受けています。
 今後、第1回の派遣生が高校新学期を迎えますので、質問紙の調査等で卒業後の状況等を把握して、これからの中学生に海外派遣後のロールモデルのようなものとして示しながら、区立学校の児童・生徒の英語学習への学習意欲につなげていきたいと考えています。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、この派遣事業に同行している学校の先生について伺います。
 款別質疑のときに、校長と2名の先生が同行して、英語の先生は同行していないとの答弁でした。なぜ英語の先生が一緒に行かないのか、少し不思議です。海外では全く英語のできない人はお荷物になります。校長が団長として行くのは意味があります。しかし、少しでも英語のできる先生を動向させたほうが役に立つと思います。また、帰国後の英語指導にもよい影響があると思います。なぜ英語の先生を派遣しないのか、ご説明ください。

◎教育委員会事務局次長(後藤隆宏君) 
 派遣事業に同行している教員についてですが、英語担当の教員とは限っていませんが、引率教員の選考をしており、その選考の際に英語力を含めた審査を行っていますので、一応英会話程度の能力を有している教員を選んでいます。教員が海外派遣における生徒引率の経験を積んで、異なる環境で指導力と国際感覚を身につけるのは、英語科の授業に限らず、さまざま教員の指導面で生かされていくと考えています。
 平成29年度引率教員は2名とも英語科教員、本年度については英語科教員1名と数学科教員の1名でした。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、職員の自己啓発等休業の条例に関連して、山本区長にお伺いします。款別質疑のときにお伺いしましたが、納得できないので、また伺います。
 この制度は、墨田区の職員に幅広い社会経験を積んでもらえますから、大変よい制度だと思います。職員には、利用していただきたいと思います。ただ、問題は、上司や同僚からの反対です。優秀な職員が休職しては困るという意見が必ず出てきます。制度はつくったけれども、実際にはなかなか利用できないのでは困ります。
 そのような反対が起きないように、山本区長はどのように対処されるか、お伺いします。

◎区長(山本亨君) 
 自己啓発休業について、上司や同僚から反対の意見が必ず出てくるのではないかというご懸念についてのご質問でして、これまでも配偶者同行休業制度や、それから海外青年協力隊に参加しようとする職員はこれまでもいました。反対意見が出てきたということはないのが現状です。
 職場運営に支障が出ないように、所属の意向も聞きながら、ここは進めていかなければならないことですし、そのように今までも進めてきたということです。ご懸念の自己啓発休業についても、実は、4月から休業を取得する意向を示している職員がいるとのことで、職場の理解を得ていると聞いています。
 積極的に職員が自己啓発を進めようという芽を摘むようなことがあってはいけないと思っていますし、引き続き職場の理解を得ながら、職場運営に支障を来さないようにしていくということです。私からも積極的な取得促進については周知をしていきたいというのが私の考えです。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、公園整備について、山本区長にお伺いします。
 隅田公園では、約250本のうち100本の木を伐採してしまいました。そして、今度は亀沢の日進公園でも、今回の基本計画では、ほとんど木を切ってしまうようです。木があったほうが、夏には日陰になります。日進公園は、木を切って、わざわざフジ棚をつくって日陰をつくります。また、子どもたちが遊ぶにしても、ある程度の木があったほうがおもしろいと思います。公園の木をどんどん切る墨田区の方針は理解できません。
 なぜ墨田区の公園整備では、たくさんの木を切って、代わりに大きな芝生の広場をつくるのか、お伺いします。
 また、現在の日進公園の基本計画では、一体何本の木を切る予定なのか教えてください。
 また、芝生にすると、かなりの維持管理費が掛かります。隅田公園も日進公園も、今まではそれほど維持管理費は掛かっていないと思います。芝生の場合の年間の維持管理費は、それぞれ幾らぐらいなのか、お伺いします。

◎都市整備部長(田中正明君) 
 最初に、日進公園の再整備における公園樹木についてです。
 高木化、老木化した公園樹木を約60本伐採しますが、代わりに約10本を新植する予定です。
 なお、現在でもシンボルツリーとなっていますケヤキについては存置します。
 次に、芝生の年間維持管理費は、隅田公園が約1,800万円、日進公園が約190万円の予定となっています。

◎区長(山本亨君) 
 北十間川・隅田公園観光回遊路事業の一環として、隅田公園を再整備させていただくわけですが、ここは地元町会の皆様、それから関係機関と勉強会等で協議を行わせていただいて、また、併せて大学教授や造園家等の有識者の協力も得ながら、今回、整備内容を決めさせていただいています。既存の魅力である歴史性もしっかりと配慮しながら、安全で安心で明るく開放的な都市公園というイメージで、見通しを悪くしているような樹木や、樹勢の弱っている樹木を伐採させていただいたとところです。
 芝生広場は、樹木伐採により減少する緑の量をしっかりと補うとともに、多くの方が憩い、くつろげる場所として公園を整備していきたいと思っています。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、山本区長に、自転車レーンの整備についてお伺いします。
 款別質疑の答弁では、来年に墨田区全体の自転車レーン計画を作成して、これから整備の場所を決めるとの答弁でした。それでは、自転車レーンの整備は2年後になります。随分のんびりしていると思いました。
 区民の安全に関わる自転車レーンですから、なるべく早く整備していただきたいと思いますが、山本区長のご見解をお伺いします。

◎区長(山本亨君) 
 自転車レーンについては、平成31年度に東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた自転車推奨ルート、これでありますと、まず北斎通り、それから区役所通りの整備を現在実施しているところです。
 ネットワーク道路としての連続性というのを考慮して、自転車活用推進法に基づく国や都の自転車活用推進計画というのを勘案して、平成32年度に墨田区自転車活用推進計画をこれから策定させていただく予定です。こうした計画に基づいて、区内の自転車に関する整備、自転車レーンを含めた整備を進めていくということになってまいります。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、自転車のヘルメットについて伺います。
 ヘルメットを着用しないで自転車が転倒して頭を打った場合は、生命の危機もありますが、それだけでなく、経済的にも大きな損失です。例えば、脳挫傷を負った場合は寝たきりの介護が必要になります。要介護5であれば、毎月の介護費用は36万円で、年間430万円掛かります。このことを考えると、高齢者のヘルメット購入に補助金を出すことは意味があります。
 昭島市では、高齢者のヘルメット購入に1,500円の補助金を出しています。墨田区でも検討していただきたいと思いますが、山本区長のご見解を伺います。

◎区長(山本亨君) 
 高齢者のヘルメット購入についてのご意見でして、自転車利用中の交通事故で亡くなられた方の多くが65歳以上であると、そういう意味では、ヘルメットの重要性は認識しているところです。そのため、現在、警察署とも協力をして、交通安全のつどいなどを開催すること、それから春・秋の交通安全運動などを通じて、ヘルメット着用の重要性については、しっかりと周知を図っているところです。
 今のところ、補助金というのを準備してということは考えていないところですが、引き続き、そうした重要性について、我々はしっかりとPRを継続していきたいと考えています。

○委員長(沖山仁君) 
 以上で、新しいすみだの質疑を終了いたします。